木の仕事の会は、木工を生業とする、またはそれを目標とする個人・団体の集まりです。

鉋の薄削り勉強会

11月25日にブリコラージュ工房で行われた

『鉋の薄削り勉強会』について、

会員の BUDDING FURNITURE(バディング ファニチャー)松本さんにレポートして頂きました

 

『鉋の薄削り勉強会』

講      師: 中井木工 中井智章さん

開催日時: 2018年11月25日(日) 開催場所:ブリコラージュ 工房

目      的: 薄削りの目的は薄い鉋屑を出すことではありません。 木材表面を狂いのない鏡面に仕上げることにより木材の美しさを最大限に引き出すことです、副産物として薄い鉋屑が出るということです。

 

当日の大まかな流れ

砥石の平面度 アトマの平面性の維持

砥石のたわみ

研削と研磨の違い

ちゃんと研げれば刃先の稜線は見えなくなる。

カンナ台はなぜ動く?

下端調整のポイント

下端調整の精度でほぼ決まる

一桁を出すためにチェックしなければいけないこと。

長台の必要性

以上のような内容にそって、講義していただきました。

 

当日は、城森さんが用意してくれていた、即席黒板を使って、講師の中居さんのレクチャーがありました。

・ 鉋の仕込み勾配や仕込み角について

刃の仕込み角は単純に針葉樹だと何度ぐらいという話ではなく、削っている時におきる、刃先のしなりや それによってどのように摩耗しているか、

鋼のかたさやどんな材を削るか(木の抵抗の大きさ)などが、 わかった上で仕込み角・仕込み勾配を決めている。

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刃先がしなり、くいつきがよくなる 仕込み勾配が右のほうが鋭角のため、刃先が しなり、その分摩耗する範囲が狭くなる。(長切れの原理)

その他にも、薄くなった砥石はたわむので、砥石を二枚貼り付けて使っていること、

材面の乾燥具合(冬の乾燥している日などは思った以上に不愛ところまで乾燥している)であったり、

研ぎに使っている砥石について、台直しの時に使っているタガネという道具のお話など、

一通り説明して頂き、実際に削って頂く時にはかるく 2 時間を超えていました。

実際に削ったり、刃物を研いだりという作業の中で、特に印象に残ったのが、刃を研いでいて、 砥石の面直しのサイクルがとても早いのに驚きました。

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最後に、薄削りで1ケタを出すという事は、すべての条件が揃わないと出来ないし、ミクロの世界を想像しての 作業というのはすごいレベルで、

普段、鉋を使っている自分の頭の中にはなかった考えがたくさんありました。

今回の勉強会は、講師の中井さんが遠方から来ていただいたにもかかわらず、予定時間を2時間近く延長して 講習して頂き、

とても内容の濃い時間を過ごすことが出来たことに、感謝致します。

また、場所を提供して頂いた城森さんにも大変お世話になり、ありがとうございました !!

 

バディングファニチャー 松本さんのレポート 鉋の薄削り勉強会2

 

カテゴリー: 2018年度事業,お知らせ,勉強会 — 城森 陽介 @ 23:00:49 2019/1/9 水曜日

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